2007年2月、コンゴ民主共和国の森林の将来について討議するため、政府機関、NGO、民間企業そして国際機関の代表250名がブリュッセルに集まりました。さまざまな立場の意見がだされる議題設定にもかかわらず、出席者は1)新しい伐採権認可の停止を継続・拡大すること、2)現在発行されている伐採権の合法性に関する再評価を完遂すること、3)参加型手法による土地利用計画の作成を開始すること、という三項目が優先して取り組む課題であることに合意しました。
世界銀行、CIFOR、CIRAD(フランス共和国国際農業開発センター)が11の地域および国際NGOと協力して出版した「コンゴ民主共和国紛争後の森林:優先事項の解析(Forests in Post-Conflict Democratic Republic of Congo: Analysis of a Priority Agenda)」は、ブリュッセル会議で合意された内容を支持しています。この 新しい報告書は、世界で2番目に広大な面積をもつものの長い内戦により非常に限られ た情報しかないコンゴの熱帯雨林について、散在する情報を集め、その現状と動向に ついてとりまとめています。この報告は、4000万人もの人々の生計に対する森林の貢 献、また国際的にも重要な生物多様性の保全、炭素の蓄積について、解析しています。 そして、伐採企業が復興したときに森林に与える脅威についても、概説しています。
この報告は、コンゴ民主共和国における様々な森林資源の経済的価値の概算値を提 示します。そして薪炭材や野生動物の肉などの森林産物による収入は、木材伐採によ り得られる収入をはるかに超えると、結論します。非木材林産物による収入は貧乏な 田舎の人々の生計にとって、非常に重要です。その一方、商業伐採から公共の利益に 還元された金額は、歴史的に非常に少ないものであると述べます。驚くべき事に、公 式な産業によって生産される木材の市場価格は年間6000万ドルにすぎず、非公式の伐 採や流域保全による利益の概算値よりも小さいのです。
この報告は、平和と経済の回復により輸送や公共インフラの問題が解決すると、森 林政策に関係なく伐採産業が復活することに注意を促しています。2002年以降、コン ゴ民主共和国政府は163の伐採企業との契約を撤廃し2500万ヘクタールの森林を公有地 にもどしました。また、新しい伐採権の認可を凍結しています。この結果、社会的に 公平で環境持続的な森林管理にむけた法制度および政策を強化するための道が開かれ ています。
しかしながら、参加型土地利用計画の策定、法施行の強化、利益の公平な管理等の 課題は、人材および制度の能力が非常に限られているという現状に対して膨大なもの です。ブリュッセルの会議の席でコンゴ民主共和国政府代表は、新しい制度とともに 国際的資金を受け入れる準備が整っていると表明しました。しかしその表明は、同国 の森林の環境サービスに対する出資を得るため緊急に必要な提案とはほど遠いもので した。
コンゴ民主共和国の森林の将来は、同国政府の林業構造改革に対する政策的貢献が 持続すること、そして国際社会の支援が持続するかどうかにかかっています。