POLEX: CIFOR's Forest Policy Expert Listserver (Japanese)
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2006年10月20日付け 貧者のための法施行強化? ありえない!

Pro-Poor Forest Law Enforcement? Not Likely

(Friday, October 20, 2006)


2001年9月11日、貴方はどこで何をしていましたか? POLEX筆者(フランシス・セイ モア)はバリにいて、第一回森林法の施行に関する東アジア閣僚会合に出席していまし た。(訳者藤間は、ボゴールでニュースを見て呆然としていました。)アジアで始まり 世界に広がった森林法を強化する取り組みは、違法伐採や森林に関係する犯罪との戦 いに、国際的な注目を集める助けとなりました。違法伐採や森林犯罪は発展途上国の 政府歳入を奪うものであることから、貧困撲滅を目的とする開発援助機関は、森林法 施行強化を貧困撲滅戦略の一つとして取り上げるようになりました。

それから5年、 Marcus Colchesterと共同研究者達は法施行強化が農村部の人々の生 活にどのように影響したのかに関する総説を出版しました。「森林での正義:農村の生 計と法施行強化」は、ボリビア、ホンジュラス、ニカラグア、カメルーン、インドネ シア、カナダで実施した事例研究の結果を要約しています。それぞれの国におけるさ まざまな条件の違いをこえて、共通の結果が見いだされました。

森林法は、貧しい人が森林から得ている収入を違法なものと決めつけたり、小規模 な森林利用に対しても非常に煩雑な手続を要求したりすることがあります。森で暮ら す貧しい人々は、しばしば大きな犯罪ネットワークに誘惑されてしまいます。という のは、違法な活動はその地方の政治に深く入り込んでいるため、より大きな力を持っ ている森林事業者ではなく貧しい人々に対する取り締まりが強化されるからです。そ の結果、闇雲な法施行強化は貧しい人々の共感をえるよりも、すでにある不公正をより強くすることがあるのです。

住民の権利を守るための法律は、脆弱で不明瞭であったり、無視されたりしがちで す。しかし公正な森林ガバナンスに対する社会的要求の増大により、先住民や地域社 会の森林資源に対する権利を認める進歩的な法制度の整備が進んできました。

貧困撲滅を目標にするなら、短絡的な森林法強化が貧しい人々に予想外の不利益を もたらす可能性を認識し、包括的な法制度整備に対する社会的要求を醸成する組織や 機関による取り組みを強化することが大切です。


 

今回紹介したのは、下記の書籍です。

Colchester M., Boscolo, M., Contreras-Hermosilla, A., Gatto, F. D., Dempsey, J., Lescuyer, G., Obidzinski, K., Pommier, D., Richards, D., Sembiring, S.
N., Tacconi, L., Rios, M. T. V. and Wells, A. 2006. Justice in the forest: Rural livelihoods and forest law enforcement. CIFOR. 98pp.

無料電子ファイルを下記からダウンロードすることができます。
http://www.cifor.cgiar.org/Publications/Detail?pid=1965

コメントや質問は、著者 Marcus Colcester <marcus@forestpeoples.org>宛にお願いします。

参考
第1回 森林法の施行に関する東アジア閣僚会合結果(概要)
http://www.rinya.maff.go.jp/puresu/h13-9gatu/kakuryoukaigou.htm

違法伐採と闘う国際社会
http://www.foejapan.org/forest/illegallog/030605.html

(日本語訳:森林総合研究所・国際連携推進拠点 藤間 剛)

森林政策エキスパート(POLEX)メーリングリストは、国際林業研究センター(CIFOR)の無料サービスとして英語版が1997年7月に開始されました。日本語版は2001年12月に開始されました。
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