ガテマラの北ペテン地方の住民林業は、どのような基準で評価しても、大成功であ るといえるでしょう。住民達は、50万ヘクタールを超える森林を管理しています。そ してその大半が森林認証を受けており、近くにある国立公園に比べごくわずかの森林 破壊や火災の被害しか受けていないのです。住民組織による企業は収益をあげ、説明 責任を果たし、1万人を超える人々に利益を与えています。11の住民組織が技術および 営業サービスを提供する企業を協同経営し、8つの住民組織は自分たちの製材工場をもっ ています。ACOFOPと呼ばれる住民協会は、政策討議の場において彼らの権利を守って います。
しかしながら、このような成功がなされた理由についての考えは、人によって大き く異なります。10年前に政府が技術支援や森林認証を受けることを希望する住民グルー プに25年間の伐採権を認可したこと、そして援助機関やNGOやコンサルタントによる支 援があったことは、全ての人が認めるところです。しかし、この地域における住民林 業の成功は、外部からの支援によるものと賞賛し、住民達の問題点をあげつらう人が います。また全く逆の立場を取る人もいます。
John NittlerとHenry Tschinkelによる報告書「ガテマラ、マヤ生物圏の住民による 森林管理、利益による保全」は、第一の立場に入るでしょう。多くの知見に満ちた詳 細な記録ですが、援助機関の支援により林業ビジネスを立ち上げに関わった林業専門 家の視点で書かれたものです。彼らは、援助機関による訓練や助言や監査、そして有 用樹種であるマホガニーが多数生育していることが、林業経営が成功した理由である としています。そして、教育を受けていない住民達が相互に争うこと、ビジネス経営 について無知なこと、専門家の助言を聞こうとしないこと等が、問題であるとしてい ます。そして、援助機関がいなくなったり、マホガニーが枯渇したりすることにより、林業経営が破綻にすることを危惧しています。
住民達は第二の立場をとっています。成功は、住民自身による重労働と努力によっ てなされたもので、援助機関からの支援金はほんの少ししか住民にとどいていないと 言います。また、多くの期待される利益についても、疑問を投げかけています。
両者の言い分には、それぞれに正しい点があります。しかし、成功にしても失敗に しても、どちらか一方のみが賞賛されたり、責められたりする理由はありません。村 人達は、森林管理の技術や営業の能力に欠けることもあるでしょう。しかし、専門家 と呼ばれる人達も常に村人達の希望を理解しているわけでもありません。援助機関は、自分たちの成功を誉める理由をもっています。しかし、自分たちの弱みを認識する必 要もあるのです。この地域の強みは、マホガニーが生育していたことだけで無く、人々 がいたことなのですから。
成功には多くの母がいますが、失敗はみなしごです。ですから、多くのグループが、 ガテマラの住民林業の親権を主張しているのは、良いことです。それぞれが、それぞ れの強みと弱みをもっています。お互いの良いところと悪いところを認識し、それぞれに敬意を払うようになれば、成功が長く続くことでしょう。