POLEX: CIFOR's Forest Policy Expert Listserver (Japanese)
Fast and effective policy alerts

2005年6月8日付け きちんとするには

Why some get it right (Wednesday, June 08, 2005)


 林業会社や農民達による森林の取り扱いはひどいのが普通です。その理由は簡単です。少なくとも短期的には、乱暴に使った方が儲かるからです。森林を管轄する役所の多くは、官僚主義的で、予算がなく、汚職にまみれています。人々は情報も技術ももたず、将来を考えることは困難です。

 しかし、そのような状況でも、森林を上手に管理している人たちがいます。樹木を植え、育て、ていねいに収穫して、特別な樹種が生えてきたり成長するのを助けているのです。そうできることの理由がわかれば、他の人たちにも同じようにするよう勧めることができるようになるでしょう。Bradley Walters達の論文「熱帯林業における優良な造林施業のための障害と機会:多分野横断的アプローチ」は、フィリピン、ブラジル、メキシコにおいて、優良な森林管理が実現している事例を調べたものです。

 フィリピンのバナコン島バイス湾では、家を建てたり魚採りの罠をつくるために必要な木材が手に入らなくなったので、農家の人たちはマングローブを植えるようになりました。人々はそして、マングローブ林が彼らの家屋や魚の養殖池を守ることに気づき、また新しい市場を見つけたのです。木を植えるのは土地に対する権利を主張するのに良い方法になりました。はじめは、先進的な農家だけがマングローブを植えていたのですが、効果が目に見えたこと、簡単にできることから、多くの農家がマングローブを植えるようになりました。

 ブラジルのアマゾン河流域で操業する企業は、工場の原料を確保するため、法律で要求されているため、植林を行っています。小農達は、子供に何がしかを残すため、そして土地に対する権利を強くするために、樹木を植えています。企業も小農達も、マホガニーとパリカを好んで植えています。この2つの樹種は、種が簡単に手に入り、管理も簡単で、成長が早く、材の価格が高いためです。

 メキシコのクインタナ・ロー(Quintana Roo)の住民企業は伐採権を得た1986年以来、森林管理に取り組んできました。政府機関、援助機関そして少数の献身的な森林官が、活動を助けてきました。住民組織の収入はマホガニーに依存しているため、マホガニー資源が無くなってしまう前に、持続的な利用方法を見つけなければなりません。伐採作業により林冠が開いたところや林道に植えたマホガニーはほとんど死んでしまいました。しかし、研究と普及のお陰で、マホガニーは森林が大きく切り開かれたところに植えられるようになり、その生長も良いのです。

 よりよい森林管理のためには、土地や植林木に対する権利の保証、市場の需要、明瞭で安定した規則、管理されていない資源に対する利用制限、簡単で目に見える実例、技術支援、そして情報をもち献身的な人々の存在が重要であることが、上で述べた事例により、再確認されました。私たちは働きかけ続けねばならないのです。


  今回のPOLEXで紹介した論文は。

Walters, BB, C Sabogal, LK Snook, and E Almeida. 2005. Constraints and Opportunities for Better Silvicultural Practice in Tropical Forestry: An Inter-disciplinary Approach. Forest Ecology and Management Vol. 209 (1-2) April: 3-18.です。

無料電子コピーの請求、コメントや質問がある方は、Brad Walters: bwalters@mta.caにご連絡下さい。 なお質問やコメントについては、原著をご一読の上でお願いします。

 

森林政策エキスパート(POLEX)メーリングリストは、国際林業研究センター(CIFOR)の無料サービスとして英語版が1997年7月に開始されました。日本語版は2001年12月に開始されました。
このほか、フランス語版、インドネシア語版、スペイン語版もあります。過去のPOLEXメッセージは左のリンクからたどれます。

POLEXの受信を希望する方は、Ms. Ketty Kustiyawati <k.kustiyawati@cgiar.org>に御希望の言語を指定して御連絡ください。