今回のPOLEXは、自由主義市場経済を貧困撲滅にいかに生かすかという話題です。
最近おこなわれたインドの国政選挙は、同国の経済が多くの家庭に光を与えていないことを示しました。とくに、林産物の採集と販売によって生計をたてている1億人の人々は、経済発展の恩恵を受けていないのが、事実なのです。
オリッサ州はインドの中で、もっとも貧困が厳しくまた森林率が高い州です。そしてオリッサの森林に住む人々は最貧困層に位置づけられています。オリッサの人々、特に女性達は、インドタバコの包装、食器、油、むしろ、薬品、飲み物、手工芸品等の材料となる新林産物の採集によって収入を得ています。
過去の政策は、オデッサの貧しい人々の生活を苦しめるものでした。採集物を政府もしくは政府が契約した企業に販売することを強いられ、政府と企業による独占が許されていたのです。政府は、森林産物を歳入源としていました。支払いは遅れがちでしたし、汚職と非効率による販売コスト高によって、採集者の収入が少なくなっていました。一方、交易を独占した政府と密着した企業は、低価格しか払わず、非常に厳しい状況においても生産品を持ち出し、そして採集生活者達をだまし、欺いていました。
上のような状況は、国家の自由経済政策に合致していなかったので、オリッサ州政府は政策変更を強いられました。NGOも不満を表明していました。州政府が、公的な独占よりもオリッサ族の女性協同組合による箒の販売を勧めるようになり、事態はかわりました。2000年以降、州政府は68の非木材森林産物の交易の管理権を、村議会にゆだねています。州政府は、ごく一部の主要産物を管理するだけとなりました。
改革者達は、この新しい政策が貧しい採集生活者に大きく役立つと期待したのですが、残念ながら効果はありませんでした。箒の価格のほか、少しは改善されたものもありますが、一般論として大きな変化は無かったのです。
N. C. Saxenaの研究は、オリッサの改革が期待したほどの成果を上げなかった理由を説明するものです。採集生活者が貧困で限られた情報と政策しかもたないことが、既存の商人と森林産物の特殊性が、真の競争の妨げになっていることを示しています。そして、州政府は無干渉主義的な方針を超え、積極的な支援を行うべきであると主張します。特に、州政府機関やNGOは、貸し付け、市場情報、基盤整備の提供、採集生活者の組織化支援、加工・販売活動への村人の参加奨励等をおこなうべきだと主張します。州政府は、自由化をさらに進めることが必要です。市場の自由化は良いことです。自由市場の公平性を高めることにより、自由化の利益はさらに多くの人に広がるはずです。