今回のPOLEXでは、オオバマホガニーの持続的利用を目指して続けられてきた森林管理者と研究者の20年を超える協力の成果を紹介します。オオバマホガニー(Swietenia macrophylla、以下マホガニー)は、メキシコ南部からアマゾン川流域にかけての中南米地域でもっとも主要な商用木材樹種です。しかし、伐採と森林減少によってその資源が急速に減少しています。そして絶滅にさらされている樹種としてワシントン条約(CITES, 訳注1)付属書IIにとりあげられ、同種を輸出する国は持続的に伐採できる量を明らかにし、輸出量をそれ以下に制限するとことが義務づけられています。
メキシコのQuintana Roo地方の住民木材企業ejidosは、天然林からマホガニーを持続的に伐採、利用するための努力を続けています。36のejidosが持続的な経営計画をたててマホガニーの伐採をおこなっていて、FSC認証(訳注2)を受けているものもあります。そして伐採後、次世代のマホガニーがよりよく更新するよう、生態学的研究の成果を森林管理に適用しているのです。
Ejidosは、過去の伐採・造林施業からの経験を現在の森林管理に生かしています。彼らがマホガニーの伐採を始めたのは20年前ですが、現在よりも多くの木を伐採していました。しかし、木材蓄積量調査の結果、このままでは持続的な生産ができなくなるという予測がなされたため、伐採量に自己規制をかけたのです。また、伐採後にはマホガニーの稚樹を植栽していましたが、林道沿いや森林があまり切り開かれていないところでは植栽した稚樹がほとんど生存しないことがわかったので、そのようなところでの植栽はやめました。マホガニーは、生長に光を多く必要とするため、数本の樹木が伐採された跡地よりも、焼き畑や台風および火災により森林が大きく開かれたところの方が次世代の生長に適しているのです。そのため、Ejidosの中には、マホガニーの生長を促進するために火入れをおこなうところもあります。また、伐採した木材を集積した土場の跡への植栽も、稚樹の生存と生長に有効なのです。
十分な数の種子を確保するためには、親木となる大径木を残すことも大切です。従来はすべての大径木を伐採していましたが、親木の重要性を示す研究結果にしたがって、現在は一定の本数の親木が残されるようになっています。
商業伐採により中南米のマホガニー資源が枯渇しつつあるのは確かです。しかし、Quintana Rooでは、マホガニーの持続的な伐採と資源管理が行われています。そして、森林破壊の一因として悪者にされがちな焼き畑もまた、一部ではマホガニーの稚樹の更新をたすけているのです。
訳注1、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」
参照 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/wasntn.html
訳注2、FSC(森林管理協議会)認証 参照
http://www.wwf.or.jp/forest/aboutfsc1.htm