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2003年1月13日付け 保全のためのコンセッション

Making concessions to conservation (Monday, January 13, 2003)


 6年前、ボリビア国政府は1ヘクタールの森林伐採権につき1ドルを伐採業者に請求することを決めました。その結果、多くの伐採業者が伐採権を放棄したため、伐採権が設定されている森林は2千2百万ヘクタールから5百万ヘクタールに減少しました。伐採権が放棄された森林は、伐採業者にとって1ヘクタールあたり1ドルの価値すら無かったのです。同じようなことがペルーでもおきています。ペルー政府はアマゾン川流域にある森林80万ヘクタールの伐採権を入札にかけましたが、1ヘクタールあたり1年1~4ドルという伐採権料を支払おうとする業者を集めることはできませんでした。

 上のようなことから、Conservation InternationalのJared HardnerとDick Riceは伐採ではなく保全のための契約により、毎年一定金額の収入が見込まれるなら、そのような契約は政府にとって魅力的なものになると考えました。HardnerとRiceは、伐採が行われないという点を除けば通常の伐採権契約とかわりのないこの方法を「森林保全権契約(Conservation Concession)と名付けました。

 「グリーン消費で熱帯林は救えるか(Rethinking Green Consumerism)」において、HardnerとRiceは、森林保全権契約の長所を説明しています。この契約により、政府は定期的な収入を得ることができ、収入の一部は地域住民にも行き渡ります。また、森林保全のためにお金をだしている人々にとっては、自分たちのお金がどのように活用されているかがわかりやすい手法となります。さらに、ある国家政府にとって、国外の団体と森林保全権契約を結ぶことは、そのような団体に森林を売却することに比べると、政策的な問題ははるかに少ないはずです。

 2001年7月、ペルー国政府とConservation Internationalとの間で、公式な森林保全権契約が結ばれました。この契約により、13万ヘクタールの森林が40年にわたり保全されます。HardnerとRiceによると、Conservation Internationalはガテマラ、ギアナ、インドネシアともペルーと同じような森林保全権契約を結ぶための交渉を続けているとのことです。

 利用権契約による森林保全は、新しい試みです。実際にうまくはたらいて多くの利益をもたらすものかどうか、見守っていきましょう。


 

今回紹介したHardnerとRiceの論文はScientific American誌2002年5月号に掲載されたものです。無料コピー(pdf形式)を希望される方はTerri Lam氏宛、ご連絡下さい。コメントや質問は、Dick Rice氏宛にお願いします。

訳注:同論文の日本語訳は日経サイエンス誌2002年8月号に掲載されています。
要約は下記ウェブサイトで閲覧することができます。
http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/0208/green.html

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