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2002年10月15日付け 分権するなら民主化を

When you decentralize, democratize  (Tuesday, October 15, 2002)


 近年、少なくとも60の国々が自然資源管理に関する地方分権化を果たしました。そして、その結果は悲喜こもごもです。地方分権により、それまでは森林に関する政策決定に参加できなかった人達が参加できるようになったり、地方政府の歳入が増加したり、その地域の人々が自分達の決定によってよりよい森林管理を実施できるようになった実例があります。一方、まったく逆、つまり失敗例も山のようにあります。

 失敗例をとりあげて、中央政府は地方分権化を急速に進めすぎだと批判する人たちがいます。しかし世界資源研究所(WRI)の Josse Ribotは、中央政府が十分に地方分権をはからなかったことにより、そのような失敗がおきたと反論します。彼は自身の著書「天然資源の民主的地方分権化、大衆参加による組織化(Democratic Decentralization of Natural Resources, Institutionalizing Popular Participation)」のなかで、地方分権は民主的な意志決定過程を必要とするとともに、中央政府から地方政府に主だった決定権が委譲される必要があると述べています。また、中央政府はいったん地方に委譲した権限を取り返してはならないとし、さらには地方分権が機能するようになるためには時間がかかることを認識する必要があるとしています。

Ribotは、ボリビア、ブラジル、カメルーン、中国、インド、インドネシア、マリ、メキシコ、モンゴル、ニカラグア、セネガル、南アフリカ、タイ、ウガンダおよびジンバブエの15カ国で事例研究を行いました。これらの国々の多くでは、中央政府は数々の矛盾と混乱を引き起こしました。中央政府はやっかいな業務と劣化した自然資源を地方政府に押しつける割に、魅力的な業務および豊かな資源は地方分権の対象にしないという傾向があります。また地方政府には自然資源を適切に管理する能力が無いという批判を行います。しかし地方政府に欠けているものが何であって、どのように改善すべきかという点について具体的な指摘をしないことがままあります。

地方政府もたいがいなものです。彼らは必ずしも有権者を代表する存在ではありません。また自然資源を過剰に利用してしまう傾向があります。そして、特定の集団の利害にのみ貢献します。

地方分権が抱えるこのような問題を解決するには、評価と修正を実施するための透明なシステムが必要であることから、Ribotは次のような提言をしています。中央政府は地方政府が最低限従うべき環境基準を設定する必要がある。中央政府はまた、法律の遵守、民主的な意志決定機構、予算の透明性、そして個人とくに女性や社会的弱者の権利を保障する必要があります。一方、地方政府は、国家の枠組みに従いながら、彼がまかされた自然資源を適切に管理できるようになる必要があります。このような過程をへた地方分権によってはじめて、大面積かつ長期間にわたる、民主的な自然資源管理が可能となるのです。


 

今回紹介した報告書のpdfファイルを希望する方、コメントを送りたい方は、Jesse Ribot氏あてメールで御連絡ください。印刷出版されたものについては、http://www.wristore.com/demdecofnatr.html にて購入を申し込むことが可能です。

森林政策エキスパート(POLEX)メーリングリストは、国際林業研究センター(CIFOR)の無料サービスとして英語版が1997年7月に開始されました。日本語版は2001年12月に開始されました。
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