高い人口密度と強い経済的要求によって、森林の破壊的利用が保全よりも優先されるところがあります。一方で、人口も少なく経済的要求も小さいのに森林が急速に失われているところもあります。このように明らかに矛盾する結果が生じているのは、森林を管理する公的および私的な組織(Institution)の力によって説明できます。
公的、私的組織の力と簡単に書きましたが、どのようにして森林を管理する組織を強化すれば良いかを明瞭にしなければ、何の役にもたちません。インディアナ大学のElinor Ostrom達は、森林保全に有効な組織とは地域密着型のもののほかありえないことを示しました。Amy PoteeteとElinor Ostromは「森林資源研究のための組織的アプローチ(An Institutional Approach to the Study of Forest Resources)」において、エクアドル、ガテマラ、インド、ウガンダ、およびアメリカでの研究例から、新しい視点を提供しています。
PoteeteeとOstromは危機に面した森林の利用を制限するには、政府機関の能力が十分ではないことに焦点をおき、地域住民グループに期待すべきことをのべ、次のようなことがらを例示しました。
・政府機関は、森林利用の監視、利用権の認知、紛争の解決における住民達による努力を軽視してはならない。
・地域住民は森林を大切なものとして保全している。保全に要する費用よりも保全による利益を重視している。(森林保全のための利用制限に地域住民がなんの関心も持たない場合がある。正しい情報と知識を提供することで、より多くの住民が参加することが期待される。)
・住民グループは彼らの森林におこった事柄について、共通の認識をもっている。
・住民グループによる保全の対象となるのは、モニター可能な程度の大きさである。
・森林を持続的に利用しようとしない住民グループよりも、森林をより持続的に利用しようとする住民グループを政策的に強化すべきである。
小さくて一様な住民グループが機能する場合もあるが、別の場合にはいくつかの住民グループを抱合する大きなグループが機能している。地域住民による森林利用を認めるということは、住民達に適切な森林利用の責任を負わすものではない。もともと、多くの住民グループは森林を持続的に活用しています。住民自身による持続的森林利用を応援すべきと結論する、PoteeteeとOstromのような人達は、多くのことを私たちに教えてくれます。